私の故郷から来たお客様

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ダイヤモンドプリンセスには会員制度があって、クルーズに乗るゲストは会員登録を済ませて乗船しています。

私たち、クルーズ船で働くクルーは、各所仕事場に配置されたデバイスで、ゲストの情報をチェックしてより良いサービスを提供できます。

たとえば、この方はもう10回以上乗船されていて、スーパーお得意様なので、通常マニュアルの説明は省いて「いつもありがとうございます。お久しぶりです。」とお迎えするとか。

レストランではアレルギー情報や、子供がいるかなど家族情報を事前に確認できます。

そのタブレットをぼんやり眺めていた時、ふとあるゲストの情報が目に止まりました。

会員情報には出身地も項目としてあるのですが、そこに私の生まれ故郷の名前があったのです。

そのゲストは私の職場に毎日来てくれて、よくお話ししていたゲストでした。

でも、お洋服やお仕事、港での観光の話をしていたわけで、「どこからいらしたんですか?」や「私は〇〇に住んでいて」といったやりとりはしていない。

しかし、とても珍しい地元からのお客様!

そして、私自身、故郷になかなか帰省していなかったので、どうしてもこの話題をふりたい…!

私は思い切って、そのゲストがまたいらしたときに「じつはお客様の個人情報なんですけど…チラッと見てしまって…」と話を切り出してみました。

なんだかこういうことって私はよくあって、本当は話しづらいこととか、ちょっと具体的すぎる成り行きとかを、いつからか思い切って打ち明けて自分の望みを叶えているんです。

ちょっと自分勝手だし、もしかしたら迷惑だったりするかもしれない…でもこの時も、結局とても個人的な共通の話題ができてより親しくお話が盛り上がりました。

これから故郷に帰るたび、偶然に出会ったあのゲストが思い浮かぶんだろうな。

もし道端ですれ違ったとしたら。

あのとき楽しく話したすてきなジーンズをお召しなら、すぐに気がつけるでしょう。

ただ、クルーズという非日常の場での登場人物だった私を、日々働き暮らす陸上のいつもの場所で同じように受け入れてもらえるのか?

このまま思い出の中にお互いしまっておくのが良いのでは?とも思うのです。

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